6月13日、急勾配のミカン畑を登りきる手前、事前に草刈りを済ませた場所に桑の木が倒れていた。
7,8年前に伐採されそのまま置かれたものだ。すでにシロアリやムカデ、他、様々な昆虫や菌類によって分解が進んでいる。

まずは木を眺めてみる。木はかつて炭焼き窯の上に倒れ込んでいた。
白太と呼ばれる外周はすでにボロボロと剥がれ落ちる。

おそらく幹の先まで10メートル近かっただろう。最も太いところの外周は1mをゆうに越える。

  • 撮影:宮下美穂

今だったらきっとチェーンソーで1分もかからない。

昔使われていたいくつかの種類の鋸を使ってみた。
二人で交互に挽くもの、昔話みたいだ。
木を縦にも切ることのできる大鋸。
縦にも横にも挽くことのできる窓鋸。
それぞれに身体全体を使って伐ってみた。
鋸が木に食い込んでいくとだんだん身体が慣れてくる、リズムも生まれる。

かわるがわるそれぞれの鋸で切ってみた。

昔、木遣歌は親方が仕事をマネジメントする合図だったと聞いた。
新人にはゆっくり歌う。急かす時は早く歌う。
面白いね。

運び出すために伐ってみた。

さて、これをどうやって持ち上げるのか?

今回は三又と言われる道具、考え方で持ち上げ、そこに軽トラの荷台を寄せて荷台に乗せてみた。
三又は、3本の丸太や鉄パイプ(単管パイプなど)の上の方を結束し、地上を三方に広げて立て、上部にチェーンブロックなどを吊り下げ滑車を使って持ち上げるもの。伝統的な造園工事では、蹲や灯籠、大きな石をこうやって持ち上げていた。今回はロープが戻ってしまわないようにチェーンブロックを使った。

声かけあって、引っ張ってみる。

木をどうやって縛るかも大きな問題。太い木が動いてしまわないように、どうやってロープをかけるのかな?

三又で持ち上げると軽トラにも乗ることがわかった。

そして、今度は人の力で降ろしてみる。手鋸で3箇所を伐り、その枝をトチカンとメンロープ、鳶口を用いて道まで運んだ。

「トチカン」と「鳶口」トチカンは、地方によっては別の名前で呼ばれるらしい。トチカンは、小口の年輪に直角に差し込む。そして輪のところにロープをかける。これがまたなかなか抜けない。昔の鍛冶屋の仕事だ。

鳶口でコントロールしながら、皆でロープを弾きながら道まで下ろした。

河津町の林業家の稲葉さんは、もっとずっと難しくて危ない仕事をたくさんしてきたらしい。昼休みに聞かせてくれた。

木は道につけた大きな車に乗せて、9月のワークショップに向けて工房に移動。