冬野工房とは

一見すると冬の野には生きているものは何もないように見えますが、枯れ草の下ではすでに植物や生き物の小さな春の芽吹きがはじまっています。落葉した木の枝にも、よくみると新しい葉芽が準備を始めています。

冬の野原は沈黙しているようでいて、耳を澄ますとそこかしこでいろいろな生き物の息吹を感じることができます。

冬野工房では、野山を歩き、植物、動物、鉱物とそれらを育んだ長い時間について考えます。手を動かしたり歩いたり、昔ながらの道具にふれながら、昔のこと、これからのこと、遠くのこと、近くのことを行ったり来たりしながら、考えてみます。

木を運ぶ 2026

伊豆半島を象徴する天城山は、複雑で豊かな地理的特性をもち、多くの動植物も生息しています。かつて天城山は、ここに暮らす人たちと生業を通して豊かな里山をかたちづくってきました。しかし、戦後から高度経済成長、今日に至る社会経済の変化を経て山野や河川の風景は変化し、半島全体では人口減少も進んでいます。
山野が今、どのようになっているのか、語る人が減ってしまったのが現実なのかもしれません。人の暮らしは山に背を向けてしまいました。
詩人や木工、木彫作家、地域の人たちとともに、山と人の関係のあり方に新しい眼差しを向けてみたいと思います。

これまでの半島の里山としての暮らしや、依代としての老木に触れ、私たち自身、そして天城の風景のこれからを考えます。

プロジェクトでは、ゆっくりとそれぞれのリズムで歩くこと、伐り倒されて土に還ろうとする樹木に触れてみること、古くからこの地に暮らしていた人たちと出会うことを通し、それぞれの目と身体で感じてみることを試みます。

期間:2026年4月から2027年1月
ゲスト:大崎清夏(詩人)、竹田篤生(彫刻家)、宮下伸輔(木工作家)他
支援:アーツカウンシルしずおか